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スルガ銀行問題は追い風?「借り換え」が投資家に有利に働く理由

とにかく貸付金額を増やしたい…から始まったスルガ銀行の不正融資。本来であれば「借りられない人」である上に「かぼちゃの馬車は破綻」状態で業界は大パニックに陥りました。同事件が与えた影響について解説します。

スルガショックとは

不正融資を行っていたスルガ銀行

2018年に経営破綻した「スマートデイズ」をご存知でしょうか。
同社は女性向けシェアハウス“かぼちゃの馬車”を販売及び管理していた不動産投資会社で、ずさんな収支計画・入居率の低さ・利益重視の経営スキーム等、問題のある運営が破綻前から問題視されていました。

そして、当該物件を購入するための資金を貸し付けていた「スルガ銀行」では融資基準に満たない人に対しても不正に融資を行っており、その額はなんと1兆円以上にのぼるとみられています。
これらの問題は「かぼちゃの馬車問題」又は「スルガショック」と呼ばれ、不動産業界に大きな影響をもたらしました。
当該問題は借り換えのシーンでどのような影響や問題を引き起こすのでしょうか?
問題の概要をはじめ、具体的に起こり得る影響や動向について解説したいと思います。

不正融資の内容

スルガ銀行が行った具体的な不正内容は以下の通りです。

10%の自己資金が無い人に当該資金があるように偽装する工作
収入関係資料を偽装し返済原資を多く見せる偽装工作
レントロール及び契約内容を改ざんし賃料収入を多く見せる偽装工作
虚偽の賃貸借契約書の作成
検査済証及び確認済証の偽装

参考「第三者委員会調査報告書」より抜粋
https://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/topics/180907.html

上記は不正のほんの一部であり、行員・渉外担当者(融資営業)のみならず執行役員や別会社まで当該不正に関わっていたことが判明しています。
なお、2014年から2018年までの間で不正融資が疑われる事案は795件(発覚時時点)となっており、今後増える可能も十分に考えられます。

不動産投資に与えた影響

2019年2月8日に日本銀行より発表された「貸出先別貸出金」によると、国内136銀行による不動産事業(個人事業)向けの貸出額は2017年に比べて16.4%も減少していることが分かっています。

個人向け不動産融資貸出金※銀行のみ
2017年 約3兆3,000億円
2018年 約2兆8,350億円(前年比-16.4%)

銀行側の融資審査が非常に厳しくなっているのが貸出額減少の要因であると考えられ、2018年後半から2019年前半に掛けては多くの銀行が貸付を締め付けている状態と言えます。
また、これら一連の流れによって不動産投資に対する不信感や警戒心を増加させてしまったこともまた事実であり、2019年以降の動向には特に注目する必要があるでしょう。

利回り重視から安定重視に

シェアハウスの売り文句は、何と言っても「高利回り」でしょう。
狭い土地に多くの人が居住するため自ずと得られる賃料が高くなり、かぼちゃの馬車も表面利回り10%以上を謳い購入者を募っていました。

しかし、蓋を開けてみれば入居率が50%以下ということもザラであったようで、実質的な利回りは良くても2-3%程度であったようです。
そのため、現在では不動産投資を行う多くの方が「利回り」よりも「安定性」を重視する傾向にあり、シェアハウスよりも数十年稼働出来るやアパート経営やワンルームマンションが人気を集めています。

借り換え重視に傾倒

アパートローンの新規融資を断る銀行マン

スルガショックを受け、多くの銀行はアパートローンの新規貸し出しを行わなくなってしまいました。
一部の金融機関ではアパートローンを廃止する等の対応も行っており、不動産投資向けの借入が厳しくなったことは間違いないでしょう。

ただし、これはあくまでも「新規借入」に限った話であり、返済実績や担保価値がある物件に対する貸付(借り換え)は銀行からみると喉から手が出る程欲しい契約です。
現に、投資家の一部ではスルガショックを機にアパートローンを借り換え、数百万円以上もの節約に成功したという方もいらっしゃるようです。
また、前にも増して収益性・返済原資・担保価値が重点的に審査される傾向にありますので、寿命が長い築浅マンションは融資審査を通りやすいという特徴もあります。
現時点でも物件次第では多額の融資を勝ち取ることが可能ですので、是非これを機に借り換えを検討してみてはいかがでしょうか。